この帽子と私との出会いは、ある白黒の一枚の写真でした。それは1800年代後半頃に撮影されたと思われるもので、黒の大島紬の着流しを着用し、Boater hatを被っている一人の青年男性の写真でした。日本人の私にとりまして帽子とは外来の文化であるため、着物との組み合わせに当初は大きな違和感を感じました。しかし、同時に今までに感じたことのないような新鮮な感覚も持ちました。その新鮮な感覚を自己分析した結果、それが日本文化と西洋文化とが完全に融合した事により、全く新しい世界観が生まれた事に気付くことができたのです。この感覚と感動をあなたにも味わって欲しと願いこの作品を創り上げました。
その製造過程は長年の経験と研ぎ澄まされた感覚を持つ限られた職人のみが使いこなす事ができるブレードミシンを使用して作り上げて行きます。一見、シンプルな作りのアイテムの様にも見えますが、実つはその中にはブレードの重なり具合や縫い目のテンションなど数多くのこだわりの部分があり、それらの集結によってこの帽子ができ上がっていきます。

Made by hand at the Atelier HIZUME, Paris, France.
REF.NO.000022022SS